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家庭と仕事の両立はまったく問題なし

　約2カ月の転職活動を経て、現在の会社に転職した小宮さん。昨年末には結婚式を挙げ、念願の新婚旅行にも出かけた。
　新しい仕事は前と同じ、建築・設計関係だが、働き心地はどうなのだろうか。

「仕事の内容的には、図面を書いたり、事務をやったり、前とほとんど同じなので、要領よくこなすことができるし、楽ですね。
　ただ、前の会社は、自分の責任でなんでもやってみろって任せてくれていたんです。入ってくる仕事もバラエティに富んでいて、アイディアが出るまでは帰れない、みたいな感じでした。今の会社は似たような仕事が多くて、言われたことを淡々とこなすだけなんですよね。前は、企画を絞り出せって言われて、苦痛でしたけど、今思うとやりがいがありましたね」

　会社の規模も少し小さくなって、一緒に働く社員の人数も減った。
「前の会社はフレンドリーな雰囲気だったんですが、今の会社はまったく違うので、最初は戸惑いました。会社にひとりで残されることも多くて、寂しかったです (笑) 。楽といえばすごく楽なんですけど」

　残業はないが、スタッフの人数が少なくて代わりがいないため、融通がきかない面もある。
「前の会社は自分の都合で有休を取ることができたんですけど、今の会社に入ってからはまったく休んでません。有給休暇を新婚旅行に使っちゃったっていうのもありますが（笑）」
　もうひとつ、転職してマイナスになったのが収入だ。前に比べて月々の手取りが4分の1ほど減ってしまったという。
「地域的な賃金の相場が前より低いっていうのもあると思うんですけど、私が入ったことで、それまで外に出してた仕事を社内でこなせるようにもなったので、もうちょっと上がるとうれしいですね」

　ところで、小宮さんが転職したり仕事を続けたりすることについて、配偶者はどんな意見を持っているのか。
「好きにしたら？って感じで、とくにこだわりがないというか、何か言われたことはないですね。今は私のほうが仕事が早く終るので、結果的に先に帰って、ご飯作って待ってるので、文句がないだけかもしれませんけど（笑）」

　現在はまったく問題なく家庭と仕事を両立させている小宮さんだが、これから先のことはどのように考えているのだろうか。
「いい仕事が見つかってよかったって思っているので、このまま続けたいですね。ただ、子供はできたらほしいんですが、ハローワークで見た書類には、育児休暇とかがある会社はちゃんと書いてあるのに、勤め先の会社は何にも書いてなかったんですよ。小さい会社だし、子供ができたら辞めるしかないのかもしれません」

　産休、育休は労働者の権利だが、代わりのいない小さな職場では主張しづらいこともある。結婚を機に新しい職場を探すときは、そのあたりも含めて、自分の条件と会社の現実を照らし合わせておいたほうがいいだろう。