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通勤時間30分、残業なし、土日休みの職場に転職

　新卒で入社して約5 年間勤めた会社を、結婚を前提に退社した小宮さん。仕事内容も職場の雰囲気も気にいっていたものの、以前から「結婚したら転職するしかないかな」と考えていたという。
「前の会社は家から遠かったんですよ。電車通勤で片道1時間半。しかも、残業が多くて、完全週休2日じゃなかったんです」

　一昨年の暮れに知り合って結婚を意識するようになった相手は家も職場も、小宮さんの自宅のそばだった。結婚と同時に遠方に引っ越すことになって転職を余儀なくされるパターンは少なくないが、小宮さんの場合は遠くの職場への通勤と結婚生活を両立させるのは難しいと考えて転職を決意した。
「去年の初めには辞めるつもりだったんですが、次の人が見つかるまではって引き止められて、退職できたのは去年の5月。在職中は忙しかったっていうのもあるんですけど、ちょっとのんびりしたかったんで、転職活動はしてませんでした」

　自宅の近くで仕事を探し始めたが、ローカルゆえに求人数が少なく、希望に沿った仕事はなかなか見つからなかった。
「転職情報誌とかインターネットとか、いろいろ見ましたけど、全然ダメでしたね。前職と同じような仕事にこだわるのは止めて、派遣で働くことも考えて登録したんですけど、結局、前の会社と同じぐらい通勤時間がかかるところしかありませんでした」

　小宮さんがたどり着いたのはハローワーク。
「ハローワークだったら地元密着の求人があるかなぁと思って。よさそうな会社があったので面接に行きました」
　転職するにあたっての小宮さんの条件は「残業が少なくて土日休み。車通勤できること」。そんなに厳しい条件ではないが、結婚を控えているということが不利に働くこともあったのだろうか。
「ハローワークで相談したときに、結婚するっていうことは会社側に伝えておいたほうがいいって言われたんですよ。新婚旅行も絶対行きたかったんで、休みを取らせてくれる会社がよかったし（笑）。それで落とされたらしょうがないって思っていました。最初に受けた会社の面接では"子供できたらどうするの？"みたいなことは言われましたね。"予定はないですし、まだ考えてません"って答えましたけど」

　その会社は採用通知をもらったものの、雰囲気が合わないと感じたため、辞退。
「次に今の会社を受けたんですけど、結婚のことについてはとくに何にも言われませんでしたね」
　通勤時間は車で30分。見事、希望どおりの職場に正社員として採用が決まった。